もっと自分の頭で考えねば

自分の頭で考える重要性を、この大地震を期に新たにしている。
都内の浄水施設の水から乳児に影響を及ぼすかもしれない程度の
放射性物質が検出された問題で、人々はペットボトル入りの
ミネラルウォーターを求めて右往左往している。
「もっときちんと情報を出してもらわないと」と
いって不安を訴える人がいる。
私は思うのだが、
みんなお上の発表に頼りすぎである。
自分で考えて判断するということを、みんなやめてしまっている。
飲んじゃダメといわれたら、いっさい飲まなくなる。
その前後の文脈や前提をすっ飛ばして、水を買い占める行動に飛びついて
いるように思えてしかたがないのである。
情報を得た時点から、買うという行動に至るまで、
自分の頭で考えるということをみんながすれば、
こういうことにはならないはずだ。
政府や役人を批判するわりには、お上に対しての信頼感が厚いのが日本人。
信頼感が厚いから「期待を裏切られた」と勝手にとらえて
批判するのだといえば、なるほど一貫した行動かもしれない。
私はもともと政治に過度な期待など最初からしていない。
だから過度に批判もしない。
アメリカのある有名な政治家は、「国が国民に対して何をしてくれるか
ではなく、自分が国に対して何ができるかを考えよう」と
国民に呼びかけた。
震災で一致団結が叫ばれる今、この言葉こそ必要とされる姿勢だと思う。