CO2ゼロは本当か?

先日、ちょっとおもしろいことに気づいた。
二つの自動車メーカーのCMである。
T社は販売台数世界一の販売数にならんとするメーカー、
M社は数年前の不祥事から復活しようとしているメーカーだ。
どちらも電気自動車の宣伝をしていた。
ところが、言っていることのうち
「家庭用コンセントから充電できる」以外のことは全然違う。
T社は「いつか太陽の力だけで走れるといいね。
そうすれば二酸化炭素が出なくていいのにね」という。
M社は「CO2 ゼロで走ろう」という。
ちょっと待て。
電力は化石燃料などを燃焼してつくられている。
日本はガス・石炭・石油を合わせるとだいたい60%である。
電力の60%程度をつくるときに二酸化炭素が出るのだ。
だから「CO2 ゼロ」と言ってはいけない
言うなら「車体から廃棄されるCO2がゼロ」というべきだ。
エネルギー問題は、エネルギーの出所から消費されるところまで
きちんと検証しなければ、確かなことは言えない。
この両社の差はいったい何なのか。
M社のようなまやかしは、下手をすればエコの名を借りた
詐欺になりかねない。
私たち消費者はそういうまやかしに騙されないようにしたい。