燃焼

火が燃えるという現象は、火があるから燃えるのではなく、
物質がある一定の温度になったときに起こる。
だから、自然発火という現象が起こる。
人間の体内で起こっている現象もこれと同じで、
酸素と有機物で二酸化炭素と水ができるとき、エネルギーが出る。
これが燃焼では熱エネルギーになるし、
体内であれば化学エネルギーとなって生命活動に使われる。


話は全然変わるが、ブッダ五蘊ということを言っている。
五蘊とは、色、受、想、行、識のことで、
これらによって意識が形成されると説いた。
意識というものは、大きな炎のようなもので、
それはひとつの炎に見えるけれども、5つの小さな火が
合わさっているのだ、というのである。
生きるということは、エネルギーのもとを外から得て
燃焼することと同じだ。
ブッダが意識のことを炎のようなもの、といったのは、
偶然だったのだろうか。
人間として生きるというのは、意識をもって生きること。
つまり、体が燃焼することで生きるように、
心も燃焼のように動きながら、ひとつの形をつくっている
ということができるのかもしれない。
これを福岡伸一さんなどは動的平衡といっている。
「心を燃やせ」ってのはそういうことなんだね。