田舎の野菜とスーパーの野菜

ぼくははっきりいって、これからの日本は食糧の問題が最も深刻な
問題の一つになると思う。
日本の食物自給率は40%で、先進諸国の中でも図抜けて低いことが
よく知られている。
これはよく考えたら非常に大変なことなのだ。
農業事情を考えるとき、政治は欠かせない。多くの国からの輸入に
頼っているからだ。もし、アメリカや中国などと関係が悪化したら、
食糧事情はすぐに危機的状況に陥る。
家電が輸入できなくなったからといってすぐには困らないが、
食糧が輸入できなくなったすぐに困ったことになる。
考えたらわかるが、野菜や穀物はすぐには育たないのだ。
だから今後、食物自給率を上げることが不可欠になってくる。
加えて、安全面での欲求が今後も高くなってくる。
スーパーの野菜は農薬が心配だ。
うちの父方の田舎は農家だが、よく野菜を送ってくれる。
これらの野菜はスーパーの野菜とは明らかに違う。
例えば、玉ねぎなどはすぐに芽が出てきてしまう。
ところがスーパーで買ってきた玉ねぎはいつまでもそのままだ。
これは農家を営んでいる人、数人に聞いたが、やはり農薬で
そうならないように抑えているのだという。
農薬を使ってもその残留量が規定値未満であればいいのだろうが、
どこまでいっても不安はつきまとう。
最近、農業特区を利用して有機農業に乗り出している企業がある。
農業をするには農地の取得にいろいろと制限があるらしく、
また、農業委員会に属していないと農家になることができないという。
地方自治体が農家のなり手を捜しているが、あれはあくまでも
農地を貸しているということであるらしい。
農業委員会というのがどういうものなのか、まだ調べていないが、
農家の後継者が少なくなっているので、今後、法改正されれば、
企業が大規模農場を営むことができる。
だが、問題なのはいままでの生産者が規制緩和によって
どうなるかということだ。
中国の農作物輸入に関しても同じことだが、農林族の政治家たちが
自分たちの集票源である農家に不利な政策を打ち出すことは
できないだろう。
どの世界でもその時代に合わない仕事をする人は淘汰されるわけ
だが、これは農家についてはそのまま当てはめることはできない。
中国との問題、農家の後継者問題、自給率の問題、農林族と農家の関係…。
こうしたことを一挙に解決するのは並大抵のことではない。