「誰でもできる仕事」と認められない人たちっていますね。
自分の仕事はすごいので、長い間、修業をしないといけない
と思い込んでいる人。
私はこういう人たちを
「俺はすごいことをやっているんだ症候群」と呼んでいる。
この手の人たちは職人の世界に多い。
昨日、今日やってきた人たちに横に並ばれてしまうと、
自分の立場がない。
だから長い間、修業しないとできるようにならないと錯覚させる。
そのように考えてしまう理由としてもう一つは、
「道」の世界に対するあこがれがあるのだと思う。
武道や、華道・茶道など「道」の奥行きがとてつもなく深いため、
自分の仕事にもそのような奥深さがあると信じたいのだ。
もちろん、どんな仕事にも極めていけば奥深さはあるが、
それを新しく入ってくる人を排除する方向に働くとよくない。
自分の仕事に誇りをもつことはよいことだが、
自分かわいさに、「修業が10年必要」とか言って
雑用ばかり何年もさせるのは間違っている。
修行とか修業というのは、経済合理性とは相性がよくない。
資本主義社会をベースにしない「道」の世界のことを
経済合理性が働いている社会に持ち込むのはやめといたどうかと思う。