『クリティカル進化論』

クリティカルシンキングという言葉をご存知でしょうか?
批判的思考などと訳されたりします。
たとえば、


わずかな事例で全体を判断している
先入観をもって判断している
他人がいったことにすぐに同調する


といった、普段よくやってしまいがちな判断を
もっと論理的な考え方に依ったものにしようというのが
クリティカルシンキングである。
この手の本はたくさん出ているのだが、いかんせん難しい。
そこで「OL進化論」というマンガを用いて平易に
解説したのが本書である。
企画を練るための参考書としてかったのだが、
クリティカルシンキングを学ぶ上では良書である。
居酒屋で話すぶんにはOKな話題でも、仕事上や人生の大事な決断を
する場面では、慎重にものごとを判断したほうがいい。
そういうときに、非常に役に立つ考え方だと思いますね。
人間がいかに非合理的で、感情に流されやすく、データや数字に
弱いかがよくわかります。
もともと皮肉屋だとか、理屈っぽいといわれる人は
もともと批判的な考え方をしているので、すでにクリティカルで
ある人もいるようです。
自分で騙されやすいと思っている人は、かなり目からウロコだと
思いますから、ぜひおススメします。
このクリティカルシンキングは、経済学に応用されると、
ノーベル賞をとった「行動経済学」というものになります。
マーケティングの一つの手法として、この行動経済学の要素を
取り込んでいる企業も多いと思います。
実はクリティカルシンキングは心理学の分野でもあり、
心理学と経済学をミックスさせたのが行動経済学だといわれています。
今後、脳科学とか神経学などをミックスさせた新たな経済理論が
どんどん出てくるでしょう。
こういうのを平易に一般に紹介していくのが
出版業界のひとつの役割ですね。