チームワーク 

「1秒も手を抜かない」

帝京大ラグビー部の戦いにはそんなものが見て取れた。

僅差の勝負であろうが、大差がついた試合の後半であろうが、だ。

「いつも同じメンタルで戦う」

これはかつて9連覇がはじまったころに

彼らの強さを説いた記事で読んだ。

若いスポーツマンたちは特に、相手が強豪だと必要以上に警戒し、

弱小だと舐めてかかる。

だからいつも同じメンタルを維持するのは難しい。

これができるのは、仲間のためでもあるという。

後半、選手から「仲間が見ているぞ」という声が出たらしい。

手を抜いてプレーした1秒は、

その場に立てなかった仲間が死ぬほど出たかった1秒なのだ。

このことを全員が理解している。

目標は日本一なのだが、その裏にある思いは、

「ゲームに出られなかった部員を笑顔にすること」だという。

彼らのチームスローガンはもう何十年もずっと

「Enjoy&Teamwork」なのだが、このチームワークの本質は

ここにあるのだと思う。

クラブに一本の強固な軸があり、それをみんなで共有しているから強い。

帝京大学ラグビー部から学ぶことは多い。