人間は脳の記憶領域を肥大させることで、
他の動物とは違う生き方を選択してきた。
先を予測したり、学んだことを覚えたりすることで、
いろんな技術を発達させてきた。
その一方で、忘れることもできる。
過去に起こった忌まわしい出来事とか、大切な人をなくしたこととか、
それはもうどんどん忘れる。
死んだ人のことも忘れる。
それはもう軽薄なぐらいに。
ただ、始終、覚えていたらどうだろう。
嫌なことや、悲しいことは、忘れるから生活できる。
忘れるってことは素晴らしい人間の能力なのだ。
だから忘れてしまってかまわない。
たまに思い出しゃあ、それでいい。