「かんのんさまをほる」

読者ターゲットによって、その紙媒体に載る広告は変わってくる。
最近、「若者は新聞読んでないんだな」というのが、
新聞の紙面広告でもよくわかる。
なにしろ、


「観音様を彫る――彫刻キット」


の広告が載るぐらいなんだから。
観音様を買うんじゃないんです、自ら彫るんですよ。
テキストと彫刻刀などがついていて、
「届いたその日から彫れる」のが売り。
仏心のない人でも、有名な先生の手ほどきで、
素晴らしい観音様は彫れるのだとか。
「自分だけの」とか、「魂を自ら注入」みたいなことが、
現代人にはぐっとくるコピーなのでしょう。


……という話をブログに書こうとして、
忘れないように、ケータイのメモ機能に書いておいた。
とりあえず、「かんのんさまをほる」と走り書き。
他にも覚え書きをメモしている。
何日かして、なんとなく、メモを見返してみる。
すると、ブログに書こうとしていたことを忘れて、
「えっ、かんのんさまをほる? おれ、そんな趣味あったっけ?」
と思ってしばらく悩むことがある。
この年になると、まー、忘れるね。たいがい忘れるわね。
いやなことも忘れるから、良し悪しだね。