書き手とか表現者というのは自己顕示欲の塊だなって思う。
いえね、ある賞をいただいたのですよ。
よい報道をしてくれたということを評価されて。
その授賞式に出席したのです。
そこで同じように受賞したテレビや新聞・雑誌の報道陣と
呼ばれるような人たちが登壇して、どういう意図でそうした
報道を行ったかについて語っていた。
まあ、みんなよくしゃべること。
謙遜なんて感じはほとんどない。
大きな媒体の人たちほど長時間しゃべる。
自分たちが報道陣を代表しているような自信満々の顔である。
もう自己顕示欲の塊です。
自ら企画して報道を行っている人たちはこうでないといけない。
こうでないといけないけど、こういう態度は
「民衆はバカだから啓蒙してやらないといけない」という態度と
紙一重だ。
そこでいつも思い出すのが、映画監督・黒沢明さんの言葉。
これを胸に刻みながら、これからもまた賞がもらえるようにがんばりたい。
自分から意図してこうしてやろうとか、高飛車につくったら
お客は逃げていっちゃうんだ。
大衆に教えてやろうなんて とんでもないことだ。
そうではなく、自分も苦しいんだということをそのまま吐露すれば、
お客はスッと理解する。