母校の大学の現役生の話では、公務員志望の子が多いのだそうだ。
安定志向の強い昨今の大学生のことだから驚きはしない。
私のようにフリーランスの人間からすると、
公務員は対極にある職種なので、どういう考えなのか聞いてみたい。
公務員は私の目から見ると、とても大変な仕事に思える。
それは世間から妬みの目で見られるとか、批判されるからというのではなく、
自分がやったことの成果がわかりにくいからだ。
物やサービスを売る仕事の場合、それがどれだけ売れたかが指標になる。
ところが、公務員の仕事はそうした仕事とは違う。
消防士やセキュリティの公務員の場合はわかりやすい。
これが警察官だったどうか。
犯罪者を捕まえたらわかりやすいが、スピード違反やシートベルト違反、
駐車違反を検挙したことで、自分は役立ったと考えることができるか。
町の安全を保つことになるのだという自分なりの解釈をする必要がある。
市役所の仕事はもっと難しい。
良かれと思ってやったことが、ある人にとっては迷惑だったりする。
市民にはいろんな人がいて対応しなければいけないのに、
自分の考えで決断を下すことができない。
これはとてもストレスだ。
自分がやったことの価値をどのように見出せばいいのか、
自分なりの解釈をしなければならなくなる。
それができないとか、考えるのがめんどくさいという人は
公務員にならないほうがいい。
とりあえず市民からクレームを食らわないことだけを考えて
仕事をするようになり、そういう人は市民にとって迷惑だからだ。
公務員の仕事は難しい。やりがいとか価値あることとはどんなことかを
考えたくない人はならないでいただきたい。
自分の頭でこのことを考えることができる人に
ぜひ公務員になっていただきたい。