「迷惑」とは何か

災害が起こっても避難しない高齢者は、
動けない自分が避難所に行くと、
他人の迷惑になるといって、ためらう。
けれど、「他人に迷惑をかけない」などということは、
所詮、不可能だということで諦めたほうがよい。
他人が迷惑と感じるかどうかは、
相手の関係によるからだ。
もし相手がホームヘルパーなら手間をかけれくれて
ありがとうというに違いない。
そのホームヘルパーの仕事が生まれたからだ。
相手がボランティアだったとしても、
「人の役に立つことができた」といって、
そのボランティアは喜ぶかもしれない。
相手が迷惑と受け取るか、ありがとうと思うか、
こちらはコントロールできない。
だから必要なのは、
「自分がされていやなことは相手にもしない」
ことなのだ。
判断基準を自分に置けば、やっていいことと悪いことがわかる。
そのうえで、相手が迷惑と感じたら、
その先はコミュニケーションで解決することだ。
「私はこういう理由で嫌だった」
「私はこう考えて、こんなことをした」
とお互いの考えや気持ちを説明して相手に分かってもらう。
そうすれば、お互いが嫌な気分にならずに済む。
そういう丁寧な人間関係を普段からつくっておくことが必要だ。