論理の飛躍 

金曜日は取材中で、その合間にニュースを聞いた。

安倍晋三元総理が凶弾に倒れたというのだ。

その日のうちに逝去が伝えられた。

犯人の供述に二度驚かされた。

母親がある宗教団体に多額の寄付をして破産し、

教団に対して恨みがあったという。

そこで教団と安倍氏に深い関係があると思い込み、

犯行に至ったのだという。

仮に関係があったとしても、教団を指揮運営しているわけではない

のだから、安倍氏に矛先を向けるのは筋違いだろう。

私が怖いのは、こういう論理の飛躍ができてしまう人がいること。

恨みのあまり冷静な判断ができないのだろう。

一番怖いのは「死刑になりたいから人を殺す」という思考で

無差別殺人をしようとする人。

恨みの論理を飛躍させてしまう人は二番目に怖い。

一方で、犯人の話を聞いてあげる人が誰かいなかったのかとも思う。

安倍氏に対しては、自分の都合で辞め時を決める人という印象で、

よいイメージを持っていなかったが、政治家としてはそれなりに

バランス感覚がある人で、人間的な魅力もあったようだし、

日本にとって重要な人物であったに違いない。

いろんな意味で残念な出来事です。