とうとうこの日が来たか。
松坂大輔がこの日、引退した。
私が仕事をはじめた1999年にデビューしたのが松坂大輔だった。
この年、小学館文庫で仕事をさせてもらっていた私は
「大輔inPoket」という文庫本を担当させてもらった。
もちろん、大半が雑用だったが、写真を集め、レイアウトを決め、
写真キャプションを書いた思い出がある。
はじめて自分がかかわった本ができ上ったとき、
書店に並んだときの感動といったらなかった。
松坂大輔という選手がいなかったら、この仕事はなかった。
出版の世界でデビューさせてもらったことは本当に感謝だし、
彼の野球人生のほんのひとかけらではあったが、関わらせて
もらったことは本当に光栄だった。
飲み屋で1980年代の人と話をすると、別に野球が好きでも
何でもない人が「わたし、松坂世代です」というくらい、
スーパーヒーローだった。
松坂世代は、彼がつくったのではなく、彼に負けじと切磋琢磨した
周りの選手たちがつくった。
それくらい愛された選手だったということ。
23年間、お疲れ様でした。
次にどんな形で活躍してくれるのか、それを楽しみにしていよう。