仕事はたのしめない

宮本慎也という日本のプロ野球選手が現役引退を表明した。
その記者会見で、彼は野球が仕事になった瞬間から、
一度もたのしんだことはないというのだった。
このことを聞いてたのしいって何なのか、考えてしまった。
たのしくなかったら、20年近くも同じことをできないと思う。
そんなに人間強くないと思う。
でも、彼はたのしむとは違う、という。
帝京大ラグビー部のスローガンは、「ENJOY&TEAM WORK」
というらしい。で、エンジョイの意味は、
「冗談を言い合あって笑うようなたのしさ」ではなく、
「自分自身が成長していることが感じられて、
充実していること」をいうのだという。
ワクワクするような充実感も、確かに「たのしさ」だよねえ。
このたのしさを、宮本選手が感じなかったはずはない。
「たのしさ」の受け取り方の違いなんだよね。
この意味では、仕事でもたのしさを得られる。
でも、好きなことだけやって、冗談を言って笑えるたのしみは、
仕事に求めないほうがいいかもしれない。
「たのしい」には、「楽しい」と「愉しい」がある。
「楽しい」はラクだし、「愉しい」は愉快だから笑ってる印象。
「楽」や「愉」でない、第3の「たのしい」が必要だね。
「自分が成長していることが感じられて、充実している状態」
これを表せる漢字が、何かないか。