ぼくがおじさんになってわかったこと④ 

上司のおやじギャグやカタカタの使い方って独特ですよね。

「バインダーを買えばいいんだー」とか。

世のおじさんたちは、ギャグセンスのない代表みたいな

人っていう括りにされてしまっている。

でも、あれってちゃんと意味がある。

上司たるおじさんたちは、そういうギャグをいうことで

スキをあえてつくって、話しかけやすい雰囲気をつくって

いるんだっていうことがわかってくるのだ。

「何でも言って来いよ、相談しろよ」

そういうメッセージがおやじギャグには込められている。

上司っていうのは、どんなに優しい人でも、仕事ができる人ほど

怖い存在に見えるものなんだ。

それをわかってギャグでその場を崩しているのだ。

あとね、おじさんたちが「D」のことを「デー」というのは、

「B」と区別するための言い方なんだ。

電話口などで相手が効き間違えないようにという、

おじさんなりの優しさなんだよ。

ぼくはおじさんになってはじめて、過去におじさんが

ぼくにしてくれたことの優しさに気づいた。

そんなさりげない気遣いができるおじさんに、

ぼくはなりたい。