ぼくがおじさんになってわかったこと③ 

子どものころは、親戚の「大きくなったなあ」が不思議だった。

数か月前にも会ったのになって。

そんなにすぐには大きくなるわけないよって。

でも、今は自分が親戚の子に大きくなったなあと言っている。

わかったのはね、あれってね、

会話の糸口をつかむ、きっかけの一言だったんだってこと。

これが「学校楽しい?」だったら、相手は身構える。

子ども相手に天気の話をするのも不自然。

やっぱり、「大きくなったね」といわれると嬉しいから、

次の会話に入りやすい。

「そうかなあ」

「学校楽しい?」

「うん、まあまあ」

そういう自然な会話の流れになる。

意味のない言葉こそが大事なんだよね。