木がはえない理由

子どもの発想で、毎回笑わせてもらう。
奈良と三重の県境に大台ケ原という地域がある。
ここは多雨で有名で、梅雨時にだけ湖ができる場所がある。
それを取材したNHKの番組を子供たちに見せていた。
ナレーターがいう。
「森林に囲まれた中でポツンと原っぱがあります。広さは野球場くらい」
私がさらに解説する。
「なんでここだけ木がはえていないかわかる?」
正解は、「ここは梅雨時期に湧水がいたるところから出て湖になるから」
というものである。
一時期でも水がはる状態があれば、高い木は育たない。
すり鉢状になった地形に、雨水が湧水となって噴き出すので、
その時期だけ湖が出現するというわけだ。
子どもたちの回答を待っていたら、6歳の次女が言った。


「野球場をつくるんじゃない?」


うん、いろんな意味で間違っている。
広さが野球場ぐらいなのであって、野球場をつくるために
木を切っているわけじゃないんだよね。
私としては自然の神秘を解説したかったのだが、ズッコケた。
野球場をつくるなら、お父さん、聞かないよね。
子どもとの会話はこれだから楽しい。