気後れ

いまはもうまったくないのだが、仕事をはじめて

しばらく経ったころは、卑屈になった時期があった。

取材する相手は、名の知られた著名人であることが多いから、

自分のようなものを相手にしてもらって申し訳ない、

時間を取らせてしまって恐縮だ

そういう思いがあった。

いつのころか、そういう思いはなくなった。

学歴や地位や肩書といったものを盾に高圧的な態度を

取る人を心の底から嫌悪している一方で、

そういう人に気後れする自分もいた。

逆に言えば、気後れするから嫌悪するのだ。

気後れすることはなくなったが、嫌悪する気持ちはある。

また、気後れする気持ちが出てくるのだろうか。