熊、出没 

「八王子市内に熊出没」という情報が、

八王子市のメールで送られてきた。

 

昔の人は、里山が終わって、

奥山になる入り口となるところに柿の木を植えた。

そこで熊を足止めさせて、里山に入ってこないように

したのだというのだ。

これを熊止め林というらしい。

熊を撃ち殺すのではなく、熊にプレゼントを用意することで、

奥山と里山の境界とした。

「ここにある柿さ食って、里に下りてくんなよー」

そういいながら、柿を植えた人間の知恵。

戦後、柿の木は役に立たないものとして切られ、

住宅を建てるための杉を植えた。

そのため、柿の実の味を覚えた熊が、民家の軒先に

なっている実を食べに市街地に出てくるようになった。

熊も生態系を維持する、いちメンバーであることを、

昔の人はよくわかっていたんだね。

今はそれがなくなって、殺すしかなくなった。

昔の人に比べて、なんという浅はかな知恵よ。