ノスタルジーでなく

子どものころに身に着いた感覚というのは、

大人になっても残っているものだね。

以前、ある政治家の本をつくったことがあった。

15年前のときですでに70代後半だった。

その彼が打ち合わせでコーヒーを飲むとき、

コーヒーのミルクをコーヒーの中にくぐらせて

いるところを何度も見た。

お金を得ても、子どものころからのもったいない精神を

ちゃんと持ち続けていたのだなと思って、

その人間くささが、いいなと思える人だった。

どんなにお金を得ても、子どものころのカップ麺の

味が忘れられない人もいる。

それは決してノスタルジーではなく、

そういう舌になってしまったってことなんだろう。

3つ子の魂百まで、は本当にそうだなあ。