イチロー選手の会見で、私は3つのことをまとめて、
子どもたちに話して聞かせた。
原文は以下の通りだ。
①他人より頑張ったということはとても言えないですけど、
自分なりに頑張ってきたとははっきりと言えるので。
これを重ねてきて、重ねることでしか後悔を生まない
ということはできないのではないかなと思います。
②自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを
繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分に
なっているんだという状態になって。だから少しずつの
積み重ねが、それでしか自分を超えていけないと思う
③成功すると思うからやってみたい。それができないと
思うから行かないという判断基準では、後悔をうむだろうな
と思います。できると思うから挑戦するのではなくて、
やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が
出ようとも後悔はないと思うんですよね。
これらをそれぞれ次のように解説した。
①他人と比較するのではなく、自分なりにがんばること。
自分なりにがんばれば、後悔しないですむ。
②自分の限界を毎日少しずつ超えていくと、
思ってもみないほど遠くにいくことができる。
③成功するか失敗するかではなく、自分がやりたいと
思うことを大切にすれば、後悔しないですむ。
もっと短くすると、
①自分なりにがんばる
②限界をちょっとずつ超えていく
③やりたいと思うならやればいい
ということだ。
この3つに共通するのは、
「イチローはすべての基準が自分にある」ということ。
そんなことを話していたら、妻が言う。
「だから自己肯定感が大事なんだよ」
なるほど、その通りだ。
自分というものを肯定できなければ、基準にすることができない。
自分を肯定できてこそ、「自分なり」が成立する。
「自分はこれでいい」と思えなければ、
いつも他人と比較して、できないことばかりに目がいくだろう。
超えるのは自分の限界であって、他人の限界ではない。
「やりたい」と思う自分も肯定できれば、チャレンジできる。
自分を肯定し、自分を基準にして生きれば、
他人と比較して苦しむことも少なくなるはずだ。
イチローの選手生活は苦しいことがほとんどだったに違いない。
でも、自分が基準だから幸せだったろう。
イチロー選手のようには偉大な実績は残せなくても、
自分を基準にすることなら、今からでも、誰でもできる。