失敗と対峙する

アメリカでプレーしている日本人の野球選手・イチローが、
日米通算で4000本目の安打を打った。
その記者会見では、次の話が印象に残った。


記憶に残っているのは、うまくいかなかったこと。
そのストレスを抱えた中で、瞬間的に喜びが訪れる、
そしてはかなく消えていく。
バッティングとは何か、野球とは何か、ということを
ほんの少しでも知ることが出来る瞬間というのは、
きっと上手く行かなかった時間とどう自分が対峙するか
によるものだと思うので、なかなか上手く行かないことと
向き合うことはしんどいですけど、これからもそれを
続けていくことだと思います。


これまではイチローのことを、極端に野球を好きになることで、
苦労さえも楽しみに変えてしまえる、類まれな才能を持った
人物だと思っていた。
でもそれは違った。
うまくいかないことで苦しい思いをし、
失敗と真摯に向かい合ってきた、普通の人だったということ。
少し感極まった感じで、上の言葉を吐いたとき、
「天才イチロー」ではない、素の人間イチローが見えた気がした。
偉大な記録を打ち立てたのに、それはうれし涙ではなかった。
「失敗と対峙する。しんどいけど、それを続けていくことだ」
よい人生訓をもらった気がします。