環境の仕事

「僕は環境の仕事をしています」
とはっきり言っていいと思っています。
ええ、ライターとして書籍や雑誌に記事を書いています。
それだけです。それ以外の仕事はしていません。
でも、環境の仕事だと思っていますよ。
私が環境について学びだしたのは、
本が売れないと裁断されてしまうという
現実を知ってから。
そこで、紙の原料としてパルプを輸入に頼っていることを知り、
それはニュージーランドやオーストラリアからだと
いうことも知った。
当時、映画をよく見ていて、『ロード・オブ・ザ・リング』は
ニュージーランドで撮影が行われたことを知った。
「あの森が切られて、日本で本になっているのか」
あんな豊かな自然を、自分がつまらん本をつくったら、
なくしてしまうことになる……
これが最初の問題意識だった。
そこから自然についてちょっと学ぶと、
世界の木は切ってはいけないことを知り、
反対に、日本の木は間伐しなければならないことを知った。
「単純に木を切るなといっても通用しないんだ」と
悟った私は、本格的に学ぼうと
森林インストラクターの勉強を始めた。
いまなるべくいい記事を書こうと思っている。
それは売れ残って、本が裁断されないためだ。
本が無駄にならなければ、燃やされることもなく、
二酸化炭素が増えることもない。
その意味で、私は環境の仕事をしているというともいえる。
そうやって、みんなが自分の仕事の中で
環境を気にして働ければ、自然環境はちょっとずつよくなる。
いままで自然環境はちょっとずつ悪くなっていったのだから、
ちょっとずつよくしていくこともまた可能なはずだ。