エビのすごい生き方

カイロウドウケツという生物を御存じだろうか。
円筒状の海面で、れっきとした生物である。
この中に住むのがカイロウドウケツエビというエビだ。
カイロウドウケツエビはカイロウドウケツの中で生きる。
まだ小さいときにカイロウドウケツの中に入り、
パートナーが入ってくると、そこで卵を産む。
パートナーが入ってきたあとには、自分たちはカイロウドウケツの
網目より大きくなってしまうので、出られなくなる。
つまり、大人になってからは一生カイロウドウケツの中で
プランクトンを食べて生きるのだ。
究極のひきこもりみたいなもんだ。
子どもたちは小さいので網目をすり抜けて出られる。
そしてまた別のカイロウドウケツを探して、子作りに励むというわけ。
そこから転じて、偕老同穴の四字熟語ができた。
一生同じ場所で過ごす=仲のよい夫婦を表す言葉になった。
カイロウドウケツエビとしては、外敵から守られる安全な
場所がカイロウドウケツなわけだ。
すごい生き方を考えたものだなあ。