ニッポンスポーツのおかしさ

エディー・ジョーンズの『ハードワーク』という
本を読んでみた。
日本人はハードワークというと、長時間労働をイメージするので、
いまの時流にはそぐわないのだが、
語っているのはもちろん「長時間労働してがんばれ」ではない。
準備をしっかり行いなさいとか、コーチ業として言葉を大切にしている
ことなどが語られていて大変興味深かった。
そのエディーさんがこんな意味のことを言っている。
「彼らは高校時代、大学時代という最も勉強しなければいけないときに
ラグビーばかりしている。そうして入った会社では3時間程度しか
ラグビーの練習をしない」
勉強しなくてもスポーツ推薦という枠組みがあるため大学に入れるし、
大学でも勉強しなくても一流企業に入れる。
最も勉強しなければならない時にラグビーばかりして、
最もラグビーに打ち込まなければいけないときに、
社業によってそれができないでいるというのです。
そしてこうも言います。
「スポーツをする人間は学ばなくていい――。
これほどスポーツやスポーツマンを侮辱した考えも
ないのではないでしょうか」
こういうこれまでのスポーツ環境に疑問を感じる人たちも多く、
大学の強豪クラブでも授業優先の風潮が出てきています。
それでもまだまだスポーツだけをさせている高校大学は多い。
これが美術部や吹奏楽部だったら、許されませんよね。
世間がスポーツを見下しているから、勉強しなくても許しているのですよ。
結局、学生スポーツで儲けている大人が多いからなんでしょうね。
ニッポンはそういうところがおかしいよ。