人間尊重

私がよくここでいう人間尊重の考え方は、
自然と調和する生き方と対立する概念ではない。
私の感覚では、人間尊重にしたところで、
それも所詮は自然の中の話というのがある。
どんなに人間が身勝手な行動をしたとしても
それも含めて自然の話なので、
人間が人間以外の生き物のように賢ければ、
ずっと存続していくだろうし、愚かであれば
絶滅していくだけの話である。
だから、人間尊重であってよい。
でも、森を切り開き、土砂を運び出し、川の流れをせき止め、
高層マンションを林立させることは、ある一瞬の欲求を満たす
方法なのであって、長い時間単位でみれば、
決して人間尊重になっていない。
人間というのは、想像力を駆使することができる稀有な動物で
あるはずなのに、その能力を十分に使わずに、
目に見えるものだけを求めがちだ。
せっかくの想像力という能力をもっと有効に活用する
ことが必要です。