国籍と出身

気付いている人は気づいているのだが、
琴奨菊が10年ぶりに「日本出身力士」として優勝した。
「日本人力士」と言わないところがミソ。
というのも、旭天鵬はモンゴル出身だが、日本人に帰化してから
優勝したので、10年ぶりではないやろってことになるからだ。
そこで「日本出身力士」となったわけだね。
でもこれってどこから「日本出身」になるんだっけ?
出身地というのは、芸能人の場合でもよく話題になる。
生まれた場所は、母親の里であることが多く、出身地とは
異なる場合が多い。
高校生ぐらいまでを過ごした場所が出身地になる。
これが中学生になったらどうなるのか。
小学生になったらどうなるのか。
だから、出身は公文書にも記載することはないので、
自称でいいことになっている。
ということでいけば、モンゴルに中学生までいて、
満15歳で日本にやってきたモンゴル人が、10年経って
「私は日本出身です」といったら、それは受け入れられるのだろうか。
逆に、日本生まれの日本人がモンゴルで小、中、高を過ごして
返ってきた場合は、モンゴル出身になるのだろうか。
ここに国籍と出身との考え方の別があるのだけど、
要はメディアが「日本出身」とか、「日本人」を見出しに打ち出す
必要があるかどうかってことなんだね。
実はないのかもしれない。
メディアの側の思い過ごしってこともあると思うんだよなあ。