アブラハムニーのこと

童謡って、大人になって聴いてみるとまた違った味わいがあるよね。
私はずっと、「アブラハムニーは7人の子」だと思っていた。
でも、「アブラハムニーが7人兄弟」なのではなく、
アブラハムには7人の子がいる」って歌だったのだ。
この手の勘違いはよくあるらしく、「アブラハムニー」で
検索したら1万9500件ヒットした。
中には「アブラハムニーワーさん」と思った人もあるかもしれぬ。


不思議な歌詞もある。
「あんたがたどこさ」で始まる手まり歌である。


あんたがたどこさ 肥後さ
肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場
船場山にはたぬきがおってさ
それを漁師が鉄砲で撃ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉でちょっと隠す


地方によって歌詞はいろいろあるが、
本場熊本では、最後は「ああうまかった」的な歌詞になっている。
私は車で娘とこれを聴きながら、「ちょっと隠す」が耳についたので、
何を隠したのか、よく聴いてみた。
どう考えても「たぬきを食したあとの残骸」としか思えない。
出身地を聞かれただけなのに、たぬきを煮たり焼いたりして食べ、
残骸を隠す話にまで言及している。
「ちょっと隠す」のが、物理的なことをいっているのか、
時間的なことをいっているのかも気になる。
たぬきの残骸の全部を隠さずにちょっとだけ隠したのか、
小一時間隠したらあとは公にしてしまうのか、
その辺がとても気になる。
いずれにせよ、食べたものの残骸は隠す対象であったことがわかる。
これも日本人の美意識か、宗教観によるものか。
時間があったら調べてみることにする。