日本人とは何か

ラグビー日本代表にはずっと前からある議論。

それは「なんで外国人が多いの」という疑問に端を発する。

日本には、「日本人は単一民族」と思いたい層がいる。

それは朝鮮民族とか、アイヌ民族の存在をかき消したい層なのだが、

単一民族は幻想なのであって、実際は多民族であることは論を待たない。

マジョリティが「日本民族」であるにすぎない。

ラグビーでは国代表になれる条件として、

「3年以上の継続居住」というのがある。

これを満たしていれば、国籍がなくてもその国の代表になれる。

「日本人」でなくてもいいわけだ。

国籍が日本なら日本人なのかというと、そう思いたくない人もいる。

帰化した人を認めたくない人もいるのだ。

そもそも、何をもって日本人とするかは、人それぞれだ。

日本語がしゃべれる

日本人風の外見である

上記2つの特徴を持つ人を親に持つ

など、いろいろだ。

これらの組み合わせでいろんな人がいる。

たとえば、

黒人または白人で英語しゃかしゃべれないけど日本国籍がある人、

黒人または白人で日本語しかしゃべれないけど外国籍の人、

見た目は東洋人風だけど、日本語がしゃべれない、とか。

日本語がしゃべれる程度や、外見の差異も程度がある。

これを一律に決められる基準などない。

どこかで線を引けば、必ず矛盾が生じる。

だから、「日本人はこうである」とは言えない。

日本人を「日本国籍を有するもの」と定義するなら、

日本国籍のある人しか日本人ではないということになるだけの話だ。

結局、スポーツの場合、統括団体が決める規則に

則っているかどうかを判断基準にするしかない。

「これが日本人」が人それぞれ違うのだから当たり前のことだ。

動植物の場合、外来種は「明治以降に入ってきた」という定義がある。

こういう類のことを人間に当てはめても何の意味もない。

「外国出身者ばかりだからラグビー日本代表は人気がない」

という人は、子どもたちに人気絶大のリーチ・マイケル選手のことを

どう思っているのか聞いてみたい。

結局、多くのラグビーファンは日本代表が

「日本人」かどうかなんて関係ない。

価値を共有する仲間が一つの目標に向かって成し遂げようとしている

ことに注目するだけの話なのだ。