ピケティとイスラム国

いま「ピケティ」が話題になっている。
格差問題を扱った経済書で、硬派な経済書としては
異例のヒットを続けているという。
人口減少の資本主義社会では、労働で得るお金よりも
投資で得るお金のほうが収益が多くなることを
膨大なデータによって証明してみせた。
かつて資本主義によって格差は縮小すると考えられていた。
ところが、格差が縮小しているのは資本主義の勃興によって
ではなく、戦争によってであった。
イスラム国問題」の根本に格差問題がある。
イスラム国では若者に多額の報酬を与え、
世界各国から貧困で苦しんでいる若者を集めて兵士にしている。
もちろん、これだけがイスラム国が力を持った理由ではないが、
理由のひとつにはなる。
格差が固定化されることを懸念し、社会の流動化を求める
若い世代は世界中で増えている。
イスラム国は格差問題をあぶりだした。
格差是正の根本治療が必要なことをピケティとイスラム国は
私たちに突きつけている。