日本人の作法

今年ももう終わろうという時期になるといつも考えることがある。
日本人はクリスマスを祝い、正月になると神社に行く、
そういう許容範囲の広さが日本人だと。
結婚して、子どもを育てるとなると、いっそうその思いを強くする。
厄年や日柄を気にして結婚の日取りを決める。
子どもが生まれると神社に行く。七五三のときも神社だ。
初詣には神社に行くけれど、そこは実は寺だったりする。
占いなんか気にしないという人は多いけれど、
おみくじは気にするという人も多い。
クリスマスどころか、最近は復活祭なんかも話題に出る。
こうした精神性は、神道よりもずっと前の古代の山岳信仰による。
自然が荒らぶると、人間が生きていけなかった時代、
人間は山の神、海の神に祈ることで、なんとか天災から逃れようとした。
それで「八百万の神」を信仰することになった。
その自然崇拝に、神道が乗っかり、さらに神道の上に
仏教が外来宗教として入ってきたわけだった。
ということは、日本人の寛容さというのは、自然環境から来ている
ということが言えそうだ。
それだけ日本という地域の自然が厳しかったのだろう。
私の中にある寛容さをこれからも大事にしていきたいものだ。