私はアンチ「アンチエイジング」

いま「お金はあるけど、なんとなく幸せになりきれない日本」
が蔓延していて、新しい幸せ探しをやっているというのが、
トレンドではないでしょうかね。
そんな中にスローライフもあったわけですが。
その中のひとつに、
「長く生きればいいってもんじゃない」というのも
入ってきたように思います。
いま延命治療を望む人は減ったでしょう。
がんだって、つらい治療をするなら、やりたいことをやって
痛みをとる治療さえしてくれという人が増えている。
その延長線上に、「若ければいいってもんじゃない」も
あるのだと思うけど、まだ日本はそこまで行ってない。
日本ではどういうわけか、若いことがもてはやされる。
欧米では、年を取るほど幸福感が増すのに、
日本はその逆になる。
雑誌だって、シニアがターゲットなら「シニア」の表記は
厳禁だというもんね。
70歳ぐらいの人が「いまの高齢者は…」というとき、
あきらかに85歳以上の人を言っているんだよね。
自分は高齢者じゃない、そう言っているわけだ。
「若くあらねば価値がない」という感覚がなくなれば、
もっと幸福感が増すのだけどね。
でも、みんなが好きな芸能人は若さを売りにしているわけでしょ。
それ見てたら、「年取るのはやなことだな」ってなって当たり前。
見かけだけ若くてもなんも意味ない。
もうアンチエイジングなんてやめたらって思う。
いまはそんな本を出したって、総スカンだろうけどね……。