わけわからん涙

岡山に住んでいたときから、「探偵ナイトスクープ」という
番組が好きで見ていたのだが、最近はご無沙汰だった。
たまたま見た内容がとってもよかった。
依頼は、「両親が10年以上会話していない」という次男からのもの。
次男には姉が2人、兄が1人いて、長女は25歳で、やはり物心ついた
ときから、両親が会話したのを聞いたことがないという。
23年間も一切会話をしていないというのだ。
隠しカメラでお父さんの様子を撮影すると、
お母さんからの呼び掛けを一切無視。
うんともすんとも言わない。
これでよく夫婦が成立してるなと思う。
まずお母さんに話を聞くと、
「今後は2人の生活になるだろうから、会話がしたいとのこと」
次にお父さんに話を聞くと、会話をしなくなった理由に笑った。
「2人目が生まれたときぐらいから、子ども中心の生活になって
すねていた」のだとか。
ひっこみがつかなくなって、話すきっかけを失ってしまったんだそうだ。
爆笑しながらも、「お父さんらしい」という子どもたち。
そこで、お父さんは、お母さんが事前に撮ったビデオレターで、
話をする練習をする。
最後に、新婚時代に行った奈良公園で待っていると
お母さんはビデオの中で告げる。
しぶしぶ公園に出かけるお父さん。
ベンチで離れて座る。
30分かけてようやく話し始めるお父さん。
これまで苦労かけてすまなかった、これからはもっと話をするように
するので、これからもよろしくといったことを絞り出すように話した。
ここで子どもたちは号泣。
私も笑いながら、もらい泣きしてしまった。
わけわからん涙だった。
お父さんはもっとお母さんに、自分のことをかまってほしかったのだ。
産後の妻の対応でへそを曲げる男は多いと思う。
特に2人目ができると、1人目が赤ちゃん返りしたりしてケアが大変。
旦那にかまっている余裕はなくなるんだよね。
でも、この夫婦が破綻しなかったのは、このお父さんはお母さんのことが
とても大好きだそうだから、その気持ちが言葉以外のもので
お母さんに伝わっていたんだなと思う。
こういう夫婦もあるのだなあ。