「子どもを親の通知表にしない」

4歳の長男が通う幼稚園には、
9歳の長女、7歳の次女も通いました。
そこの園長は、園児の親に対して講演したりして、
子育てのキモを伝授してくれます。
先日、妻が聴いて帰ってきて言ったのは、
「子どもを親の通知表にしない」
という園長の言葉が印象に残ったということでした。
親自身の人間関係が偏っているので、
自分に対する評価として、周りの人間よりも社会からの評価を
気にするようになっています。
社会からの評価を気にすると、「これでいい」と思うレベルが上がります。
なぜならメディアに登場する人は、すごい人ばかりだからです。
仕事も子育ても完璧にやっている(ように見せているのが実際なのだが)人
ばかりが取り上げられるので、そうでない自分はダメだと思ってしまいます。
とくに専業主婦は危険です。
兼業主婦なら、仕事と子育てという二つの軸があるから、
どっちかがダメでも、どっちかでいい結果を得ればいいと
考えられるからです。
でも専業主婦は、家事は世間から見えにくいので、
子育てが自分への評価の大部分を占めてしまうのです。
でも、これは錯覚です。
子育ては夫婦二人の責任でやるもの。少なくとも現代はそうです。
なのに、主婦は自分ひとりで背負ってしまっている。
親が子供の自分の通知表のように扱うということは、
自分の所有物として自在にコントロールしようとすることを意味します。
子どもの人格を認めず、ロボットとして扱おうとする。
これは一種の虐待です。
いえ、もちろん、そんな気なんて主婦にはないんだと思います。
子どもを思う気持ちがちょっとねじ曲がっているだけ。
お母さんたちには背負っているものを下ろしてほしいと思う。
完璧主義をやめて、社会からでなく、周りの人からの評価で
自分を見つめてほしいですね。
そうしたら、「自分はこれでいい!」と思えるはずなのです。