逆境とは「変化」

疲れた心と体に、はい、1本。
名言サプリ 其の219


逆境は、まだ私たちが
順応しきれていない変化に過ぎない
(エイミー・マリンズ)


エイミー・マリンズは、アメリカのアスリート。
パラリンピックに出たことのある義足ランナーだ。
周囲の人は、みんなに義足=「ハンデ(障害)」であり、
それは「逆境」であり、そこから「克服」して
成功するという決まったストーリーを求めた。
でも、彼女がいう。
「これは影みたいなもの。はっきり見えるときと
見えないときがある。でもいつもつきまとう」
彼女は、言葉が持つマイナスイメージによって、
人は打ちのめされるといい、それが唯一、本当の
ハンデキャップになるのだという。
でも誰も否定的なことを言わず、可能性を伸ばす言葉を
タイミングよく言ってくれたら、成長することができる。
彼女自身、15歳のころは自分の足が欲しかったけど、
大人になった今ならいらないという。
自分の可能性を伸ばせる経験をすでにしているからだ。
彼女は周囲がいう「逆境」を「変化」としかとらえて
おらず、変化に順応することで自分の可能性を見出した。


「障害」について考えることがある。
「健常者」と「障害者」という言葉で語ると、
いかにもその2者には区別があって、そこは厳然と
パーティションで隔てられているように思う。
だが、現実は違う。
早く走れる人がいれば、それほどでもない人がいて、
走れない人がいる。
現実は2色でできているんじゃなく、グラデーション(濃淡)
になっている。私たちはグラデーションの中身を単に
「健常者」「障害者」といって区別しているに過ぎない。
これは行政上の言葉であって、可能性の有無とは全く関係ない。
でも、言葉を知った瞬間から、レッテル張りが行われ、
「できるだけ自分で考えたくない頭」を持った人は、
耳慣れたステレオタイプで人を判断し、扱う。
「障害」は「程度の差」ととらえることができる。
そう考えれば、「障害」は行政上使えばいい言葉であり、
実生活では意味をもたない言葉になるはずである。