公園が好きな理由

休みの日はもっぱら公園で子どもと戯れる。
土日では必ず一回は行く。
公園をつくる仕事なんていいなあと思ったりする。
なんでそんなことを思うかというと、
子どもと遊んだたのしい思い出があるのもひとつだけど、
黒澤明監督の映画『生きる』を見たせいでもあると思う。
余命いくばくもないと知った役人が、それまでの定年を指折り
数えて待つ日常をうっちゃり、公園をつくるために
再び生きはじめるという物語だ。
この映画は仕事をはじめて3年ぐらいのときだったか観た。
もうね、人生観がまるきり変わるぐらいの衝撃を受けた。
自分が死ぬとわかってから、慌てて立派に生きようとする
滑稽なひとりの男の話だ。
この映画は「それで生きてるといえるのか?」という問いを
見る人に強烈に突きつけてくる。だから見ていてしんどくなる。
で、結局、小さな公園が一つできるだけの話なんだけど、
そこで遊ぶ子どもたちの生き生きとした様子が忘れられない。
いい仕事だなって思う。
でも、思えば本をつくるってのも同じようにいい仕事だなと思う。
つくるということは、すばらしい。