「自由と自己責任はセットでね」

先日、帰省したおりに出席した結婚式の二次会で
未婚の人たちが順番にやりだまに挙がり、
「次は君の番だね」という話になった。
よくある話だ。
だいたい周囲の人は30歳ぐらいまでは
「結婚しないの?」「そろそろしたほうが・・・」という。
で、30歳を過ぎると「触れちゃいけない」みたいな感じに
なってきて、何も言われなくなる。私もそうだった。
親戚の人なんか特にそうで、本当に心配しているというよりは
それが会話の糸口になっているのであまり気にしないほうがいい。
とはいえ、人々はどんどん神経が過敏になってきているようで、
「結婚しないの?」というのはセクハラだ! 人権侵害だ!
となるから女性にはいっさい言わないことにしている。
「子どもつくらないの?」も同様に男性にしか言わない。
「就職しないの?」も今なら言ってはいけないことに
なるのかもしれない。
こうなると、話す内容がなくなってくる。
誤解をおそれずにいえば、
簡単に傷つく人が多すぎる。
ナイーブな人が多すぎる。
ガラスのハートが多すぎる。
もちろん、相手が傷つくような言葉は言わないほうがよい。
言うほうはそういうことに配慮すべきだ。
だけど、言われたほうはあまり気にするべきではない。
もっとたくましくありたい。
私は結婚するべきだし、子どもをつくるべきだし、就職するべきだ
とできるだけ言うことにしている。強制するわけではないし、
そもそも強制できないのだから害はないと思う。
「人生それぞれだから」といっていたら、何も話はできない。
そんなの当たり前だからだ。
私自身、結婚はするべきだ、子どもはつくるべきだと周囲から言われて、
実際にその気になっていったという経験がある。
そういうことを言ってくれる人があってよかったと思う。
私がコミュニケーションの中でやりとりしたいのは、
彼ら彼女らの「独断と偏見」であり、私の「独断と偏見」をどう思うか
といったことである。


今の時代は人生のかなりの部分を自由にできる。
結婚も、子どもも、就職も、自由度がかなり大きい。
だから不安も大きい。「なんでも好きにどうぞ」これが一番不安である。
「でも後始末は自分でね」それがつらいところである。
「自由と自己責任はセットでね」ってことだろう。
セットのほうがおトクなのはファストフード店だけのようだ。
ある面では今は生きにくい時代なのかもしれない。