「トゥルーマンショー」 

昔見たはずだけど、細かい部分が思い出せなかったので、
久しぶりに見てみたのが「トゥルーマンショー」です。
トゥルーマンは生まれた時から巨大な撮影セットの中で育ち、
その人生のすべてがテレビ配信されるという、
現実世界では絶対ありえない人権無視の世界で生きている。
そのことにトゥルーマンがだんだん気づいていく
というストーリーになっている。
なのだが、実際は映画が始まってすぐにうすうす感づきはじめ、
1時間が経過するころにはそれは確信に変わる。
「なんだかおかしい」「おれは閉じ込められている」といったもの。
でも、トゥルーマンショーのプロデューサーはいう。
トゥルーマンには理想郷を用意している。腐りきったこの世の中に
いるよりは理想郷に生きたほうが幸せなのだ」
トゥルーマンはあの手この手で自分の疑念を確かめようとする。
そして最終的に海の?果て?に辿りつき、
セットの外から出て行こうとする。
そこでまた例のプロデューサーはこんな意味のことをいう。
トゥルーマンよ、お前は出ていけるはずがない。
おまえは怖いのだ、外の世界に出て行くのが。
さあ、戻るんだ。それがお前にとっての幸せだ」
これって、映画製作者からの見るものへの挑発ですよ。
みんなそうだろう、今の安住の地から出たがらない、
その点においてはトゥルーマンと同じだろうって。
実際、みな誰も心の中にトゥルーマンがいる。
新しい世界がどんなものかもわからないから、
いまある安定を失いたくないのが人間ではないかってね。
でも、トゥルーマンはチャレンジする。
外の世界に出たいというどうしようもない衝動が
彼を突き動かし、死をも恐れぬ行動となって現れる。
未知の世界へのチャレンジ。
そういう気持ちはいつまでも失わないようにしたいものです。