大家族番組を見てしまう

年度末だから大家族の日常を追ったドキュメントがよく放送されている。
私はあれが好きでよく見ている。
テレビ各局は、それぞれ大家族を抱えていて、年度末になって
子どもたちが進学や就職など動きがあるときにスペシャル番組を組む。
家族のあり方と、「生きる」ということが、
すべて描かれていて、たまに考え込む。
この大家族ものを見ていると、「若者が安定志向で就職難」とか、
「ハイスペックな男を求める女性が急増」なんてことが
別の国のことのように思える。


「子どもを無計画につくりすぎ」「子どもがかわいそう」という人も
いるかもしれないが、かわいそうかどうかは子どもたちがつらいか
どうかによる。
ある大家族の子が言っていたが、「生まれたときから大家族だから、
ひとりの部屋がほしいとか、そもそも思わんし」というのが本音だと思う。
子どもたちは生まれたときからその状況だから、大変だとは思っても
つらいと思うことはないのだろう。
他人が口出しするべきではないから黙って見ている。


またある大家族のお父さんが言っていたことは含蓄があった。
「(子どもが)バイオリンをやった、すぐやめた。
 スポーツをはじめた、すぐやめた。
 バイトをやった、すぐやめた。
 そのつど、なんじゃそりゃって思う。
 でも、親が自分の長年生きてきた経験の上で見たら、なんじゃそりゃって
思えるけど、子どもはそのときしか生きていないわけだからね。
 いろいろやってみて失敗して経験する。自分もそうだったから」
というようなことを語っていた。
そうやって、あたたかく見守れる親ってすごい。深いなあと思う。
親からみたら、子どもがやっていることが意味のないことのように思える。
でも、そういう意味がないように見えることの繰り返しで
自分も成り立っているんだからね。


見ごたえがあるので、今度、各局の大家族を一同に集めて、
映画をつくったらどうかなと思う。
仮面ライダー全員集合」と「プリキュアオールスターズ」の間に
挟んで3本立てとするのだ。
みんなで2泊3日の大旅行をする。70人ぐらいになるんじゃないか。
それだけでおもしろい画が撮れそうな気がするのだが。