ある俳優の礼儀正しさ

同い年の俳優さんを取材した。
私の場合、芸能人を取材することはめったにない。
会ってみると、スラリと背が高く、丹精な顔立ちで
生まれてから同じ時間を経過しているとはとても思えなかった。
話しはじめると、テレビではやさ男の印象なのに、とても男らしく
しっかりした話し方で、これまた予想以上だった。
宗教がテーマだったのだが、現在の社会情勢も踏まえながら
非常に興味深い話をしてくれた。
正直いって、もっとふわっとした話になるかと思ったら、
意外にも深いところにまで話が及んでいった。
勉強になる話もあったし、なかなか話もはずんで有益な時間だった。
芸能人だからといってみくびっていた自分を反省した。
外見で勝てないぶん、人間的魅力で勝負しようと思ったが、
あちらの人間的魅力に完敗だった。
茶店で話をした後、こちらが会計をしたのだが、
「ご馳走様でした」とお礼をいわれた。
あまりないことで、また驚かされた。
そのへんの偉い「先生」たちよりよっぽど人間ができている。
礼儀に厳しい芸能界で生き抜いているだけのことはある。
テレビで見かけたら、今後はちょっと注目してみようと思う。