『究極の田んぼ』

奇跡のリンゴ』という本が売れたので、
同じような系列のこの本を手にとってみました。
千葉県で稲作農家を営む岩澤信夫さんという方が著者です。
こういう書籍にはめずらしく、ライターを立てずに
岩澤さん自ら執筆しているものと思われます。
内容はとても興味深いのですが、農業をやっていないものにとっては
難しい言葉が出てきたり、ちょっとわかりにくい箇所があります。
著者に対する気遣いはわかりますが、編集者には一般読者が
わかりやすいように、もっと手を加えてもらえると嬉しかったです。


さて、その興味深い内容の一つに、稲の不耕起栽培があります。
田は耕すものですが、岩澤さんは耕さないというのです。
耕さないと土が固くなりますが、そうすることで稲が野生化し、
強い根を張るのだそうです。
また、田にイトミミズを生息させることで、栄養のある土壌を
作り出すことができるというのです。
読んでみて、リンゴの無農薬栽培について書かれた『奇跡のリンゴ』と
符合する点が2つあると思いました。
1つは、土壌の生態系を重視し、生き物を利用していること。
もう1つは、栽培物を適度なストレス環境に置くことで、
病害虫に強い固体をつくること。
たぶん、この2つは自然栽培を行うときのキーワードなのでしょうね。
今後、わかりやすく書かれた本の登場を期待します。