マイ・ファーザー

6歳のころにアメリカに養子に出された韓国人男性が
故郷で父親を探す、実話をもとにした映画。
実話のほうはなんだったか見たことがある。
ニュース映像だったかなあ。
彼には産みの親と育ての親がいて、育ての親はアメリカ人、
産みの親は韓国人。産みの親に会いたくないという人もいるみたい
だけど、彼の場合は、どうしても会ってみたかった。
でも、韓国の親は監獄に入っていた。
父親は自分の罪を正当防衛による殺人だというのだが・・・。


親子の関係にももしかしたら「縁」のようなものがあるのかも
しれないと思ったりした。
途中から、主人公は親の存在だけがいきがいのようになっていく
のを見ると、「縁」というものを感じる。
彼はどうしても「親」が欲しかったのだ。
養子に出されてさびしい思いをした子は、
そうなってしまうのかもしれないと思った。
父の祈りを」も父子の心情の揺れ動きがテーマだったけど、
この映画も似たようなところがある。
女性にはわからないかもしれないけど、男の子は父親に対して
複雑な心境の人もいる。
子にとって父親というのは、親であり、ライバルであり、友だちでは
ないけど、そのようなものであり、素直になれないのだと思う。
年をとっていくとそれも緩和するんだけど、生き方を否定されたり
すると、父親を非難するようになったり、「おれはあんなふうになら
ないぞ」なんて思ったりする。
ぼくの場合はそういうのがほとんどないのですが、
ちょっとはわかるような気がするのです。
過度に感傷的にならず、謎解きの要素も入っているので、
そこそこたのしめる映画でした。