フライ・ダディ

韓国映画である。
といっても、出てくるのは美青年ではなく、おっさんである。
高校生の娘に暴力を振るわれた父親が、暴力で復讐する話。
こう書くと、ちょっと野蛮なのだが、そのへんの微妙なところを
うまく処理した映画だと思いました。
暴力には暴力で対抗するところが、前時代的だと思ったけど、
それ以外は、「父親がいかにして家族を守るか」というテーマに
忠実につくられていて、好感が持てた。
冴えない中年男性が頑張る、応援歌的な映画はあまり好まない。
けれど、これはこれでいいんではないかという気がした。
主演の俳優さんは、役作りのために撮影前に太って、
撮影をしながら痩せて筋肉質な体をつくった。
ロッキー・ザ・ファイナル」の場合、スタローンは撮影前に体を
つくってラストシーンを撮ったらしいが、彼の場合は映画の時間と
同時進行で体もつくったということになる。
体ができなければ、撮影が進まないので、
こういうことは相当難しいんではなかろうか。
そんな点も見どころのひとつでした。