障害者の仕事とは

不況だけど、選ばなければ仕事はあるという人がいる。
でも、地方のある県なんか、有効求人倍率が0.35なんてところも
あるくらいで、40代、50代になったら本当にない。
障害者になるともっとない。


障害者が仕事をするあるグループホームでは、
スーパーでアイスクリームを買ったときにくれる木のスプーンとか、
大型の電化製品を買ったときにもらう、緑のプラスチックの取っ手
などを箱詰めしたり、荷造りしたりする仕事をするという。
そのグループホームの管理人は、
障害者たちが帰ったあと、明日のために彼らが仕事として
やった荷をすべてほどき、もとの状態に戻す。
なぜそんなことをするのか。
仕事がないからだ。
「私たちはまだ仕事があるだけよかった」という障害者の言葉を
聞く管理人は、辺りのシンと静まり返った夜中にむなしい仕事を
しながら涙を流す。
こうした障害者の仕事は信じられないほど報酬が少ない。
報酬が少ないのに加えて仕事もない。
仕事を出すほうも、中国にでも出したほうが儲かる仕事を
あえてこのグループホームに出しているかもしれない。
障害者の生きがいのために、管理人は彼らの仕事を「つくる」。
この話を聞いて、障害者の仕事とはどうあるべきか考えた。
やはり誇りを持って生きるには、世の中に対して何らかの役に立っている
という仕事をすることが重要なのだと思った。
ここでいう「仕事」とは、給料をもらう仕事だけでなく、
ボランティアや家事や育児、介護のこともいう。
つまり、「やるべきことがある」ということがとても大切だ。
どうにかして普通の会社や社会で障害者が担える仕事がないものか。
日本はどうしても障害者を幼い頃から隔離して教育する。
健常者と障害者が一緒に仕事をする職場はほとんどなく、
今回の話のようなグループホームができ、たまに街で障害者を会うと
どうしていいかわからず立ちすくんでしまう。


昔は助からなかった未熟児が、今の高度な医療技術のおかげで
生きられるようになった。その結果、障害者は非常に増えているという。
隔離するのではなく、同じ社会でどういうポジションについてもらうか
みんなで考えないといけない。