恋愛における「ストライクゾーン」の考察

男友達と恋愛の話になると、「ストライクゾーン」という単語が
出てくる。野球の打撃にたとえて、自分の恋愛の好みを説明するとき、
「おれはあの子がストライクゾーンなんだよね」などと使う。
なんでもござれの人は、ストライクゾーンが広くて、
理想が高い人はストライクゾーンが狭いことになる。
野球をやっていたものからハッキリ言わせてもらうと、
こういうたとえはあまりうまくない。なぜなら、


自分なりのストライクゾーンなどない


からだ。
野球では自分が有利なカウントのみ自分の好きなコースを待つが、
そういうケースも実は希で、相手投手やカウント、試合展開との
兼ね合いで、手を出すボールを絞って待つ。
そして、自分が不利なカウントになったら、少々のボール球には手を出す。
このとき、野球では「くさいところに手を出す」という。
恋愛と同じことがいえるのは、むしろこの点だ。
自分のストライクゾーンにハマる相手を待つのではなく、
相手との兼ね合いのなかで、自分が打てるコースを待つべきなのだ。
そして、自分が有利なカウント(恋愛では状況)のときは、
狙い球を絞る(理想を高くもつ)。
逆に自分は不利なカウントのときは、「くさいところにも手を出す」ことが
必要になってくる。
では、恋愛において、自分が有利な状況、不利な状況というのは
どういうことをいうのだろうか。
男でいえば、自分が有利な状況とは、一般的にいってイケメンであるとか、
収入が多いとか、そういうことだろう。
女でいえば、一般的にいって若いとか、美人だとか、家庭的である
といったことになる。
もし自分が不利な状況、つまり野球でいえば、2ストライク0ボールとか、
2ストライク1ボールの状況では、理想を高く持つのではなく、
「なんでも振ってバットに当てるしかない」と考えるべきである。
そしてやはりそこでヒットがでるかどうかは、当然自分の努力もあるが、
相手との兼ね合いによる。だから、自分のストライクゾーンなど
本来はないのであって、それを探すのは無駄である。
イチローだって、6割以上7割未満の確率で失敗する。
そうであるならば、凡人の私たちが
10人中7人にフラれても当然だと思えるのである。