アイ・アム・レジェンド

ウィル・スミスのアクション娯楽作。
かと思ったら、意外とホラー映画だった。
で、最終的には生物の進化と生態系を思わせる深い映画である
ことがわかりました。(ネタバレあり)


ある研究者が、がんを撲滅させるウイルスを、はしかウイルスを
改変することで生み出したのですが、逆に人間が凶暴化するという
事態を招いてしまいます。
(おまけに紫外線に弱く「闇の住人」と化している。)
そして、人類60億人のうち、50数億人が死に、1200万人が
生き残り、5億数千万人が凶暴化して生きているということに
なるのです。
んで、ウイル・スミス演じる主人公が地下室で凶暴化した人類を
救うために血清の研究開発に取り組むという話。


エンディングまで観て、「ふ〜ん」という程度の映画だったのですが、
ネットでレビューを見てみると、別エンディングがあるという。
別バージョンのエンディングとなると、まったく映画の主旨が
変わってきて、実は主人公こそが「伝説のモンスター」だったことが
白日のもとにさらされるわけですね。
「私こそが伝説(のモンスター)だった!」と気づいて終わるわけだ。
つまり、ウイルスに感染しながらも生きながらえていた
5億何千万人かの凶暴化した闇の住人たちは、ウイルスを克服しつつあり、
独自に進化を遂げてきた「多数派」なのであって、
主人公は多数派に抵抗しようとする異端分子なわけだ。
生物が生きていこうとする本能にいいも悪いもない。
なのに、ある時代のある一方からの価値観だけで、
「あるべき論」を唱え、他者を制圧しようとすることの危険を
描いた映画、ということになるのかもしれない。
もともと原作はコミックらしいので、機会があったら読んでみたい。