『Sudden Fiction』

海外作家の短編集です。
見たことも聞いたことも読んだこともない作家たちの
ショートショートです。
突然終わるから、サドンフィクションなんだってさ。
だいたい4〜6ページぐらい。
印象に残った1編はこんな話。


男が墓地を通りかかる。
そこに未亡人が墓参りに来ている。
容姿にひかれ、声をかける男。
未亡人は今日が夫の命日であることを告げる。
情にほだされた男は一宿一飯を彼女に施す。
もちろん、ねんごろにもなる。
そして、1週間後・・・
男が歩いていると、
あのときの未亡人がまたあの墓地を歩いている。
向こうから別の男がやってきた。
なにやら話し込むふたり・・・
ふたりは一緒に墓地を出て行った。
そう、彼女は未亡人でもなんでもなく、未亡人を装って
パトロンを探していたわけだった。


この話はよくできたほうで、その他多くはどう理解していのか
困ってしまったり、どうでもいい作品ばかりだ。
私は海外の短編小説が好きなのだが、
どうしてかというと、やはり予定調和におさまり切らない
ある意味で支離滅裂なところが気に入っているのだろう。
意外性を期待しているのかな。
「こんなんだったらぼくにも書けそう」と思うけれど、
たぶん書かないだろう。