麻布という異空間

ここは日本か!?


わけあって、友人とふたりして麻布へ飲みに行った。
金曜の、夜の、麻布へ。
まー、外国人の多いこと。
黒人、白人、中東の人たち……。
どこの国ナン?って思う。
私のような生粋の田舎人は、


「全員が悪いやつに見える」


のです。
完全アウエーですよ。
北朝鮮で試合をする日本代表の気持ちが少しわかった気がした。
同郷の友人と、おどおど、へげもげしながら、
ほうほうのていで和食の料理屋さんに入った。
2人で1万5000円!
おい、おれたちそんなに飲んだか。
やい、おれたちそんなに食ったか。
友人の仕事関係のお店だったので、5000円にまけてもらった。
あー、助かった。
店を出ると、外国人たちが声をかけてくる。
「元気ですかー!」って。
彼らは、「ハウ・アー・ユー?」を直訳してしまっている。
こういう外国人はよくいる。
日本人は見ず知らずの人に「元気ですか!」とは言わない、猪木以外は。
ではこういう場合何と声を書けたらいいのだろうか。
「もうかってまっか?」でもないし、
「最近どうですか?」でもない。
「ささ、お客さん、40分8000円で!」と
単刀直入に擦り寄ってくるしかないのだろうか。
こういうときに交わす日本語がほしいところです。


麻布の夜を歩いて、そのへんの外国人と話し込めば、
駅前留学しなくても英会話の練習になるかもしれない。
「麻布留学」が流行るかもしれない。
ある人は、皇居の周りで海外からの観光客相手に観光案内をして
英会話を磨いたという。
さしずめ「皇居留学」である。
どっちかというと、私は皇居留学のほうを選択したい。