GDPのほかに追うもの

あるグローバルに展開する日本メーカーは
今後、外国人の採用を全体の30%にするという。
この企業の最高経営責任者は外国人だ。
外国人を社長に据え、外国人を雇い、外国で生産している。
そこでいくらかの利益を得て、国内のわずかな社員が給料をとっている。
拡大しつづけるしか、成長し続けるしかない巨大企業の厳しい現実だ。
かつて企業は社員とその家族のものであって、復興期に起業した
いま大企業の創業者はその人たちのために会社を繁栄させようとした。
そして、ものをつくって豊かな暮らしをすることで
社会に貢献しようとしたのだ。
しかし、今の時代、彼らがつくらなくても他のどこかの企業がつくる。
企業は自分の給料を守るため、誰かをリストラしたりもした。
そのうえで成長し続けるには、外国で生産し、外国で売るしかない。
理屈としてはわかるが、これでいいのだろうかと思う。
売上と利益をあげることだけが企業の成長になっているからそうなる。
小さくてもきらりと光る企業であり続けようとする会社とは
最初から成功の定義が違っている。


中国がGDPで日本を抜くといっている。
日本は「おれたちゃもうGDPなんか追ってない。
人の幸福を追ってるんだ。だから抜かれたっていいんだ」
とは言い切れない。みんな抜かれて悔しいのだ。
だから今度は「一人当たりGDPではまだこんなに差がある」
などといってみたりする。


企業の成長とはいったいなんだろうか。
売上と利益の他に、成長が感じられる要素はなんだろうか。
これを早くみつけないと、みんなのいまの仕事を続けるには苦しすぎる。
キーワードはやっぱりハピネスなんだと思う。
じゃあ、何がハピネスなのか、まだまだ考えることは多い。